祝! オレのバイク納車です!(前編)

そして、その時は訪れた。

2019年7月29日(月)・・・ 午後2時20分。
奇しくも今日は、関東地方が平年より1ヶ月遅い梅雨明けと気象庁より公式発表があった。そうだ、私のバイクは梅雨明けと共に私の所へやって来たのだ。

SUZUKI GSX-R 125Γ トリトンブルーの真っ青な車体が今年の夏にピッタリだ。
間違っているって? GSX-R125 だろって? いや、私にとってバイクとは「ガンマ」なのである。そう、スズキ GSX-R125 Γ(ガンマ)だ。

その出来事は今朝、午前9時にかかって来た一本の電話から始まった。
トゥルルルル・・・ トゥルルル・・・ ピッ!

「先日はありがとうございました。お待ちかねのGSX-R、本日納車準備が完了いたしましたので、いつでもお受け取りにご来店下さい。できますれば午後2時過ぎのご来店だとありがたいです。」

では午後2時過ぎに受け取りに行くとだけ告げ、電話を切った。クールにあしらったが、実際は胸躍る瞬間だった。だが一つだけ問題が発生した。それは今日のこの暑さである。午後2時過ぎと言えば、一番暑い時間帯ではないか。

私は今日この日のためにAmazon.co.jp の協賛を受け、YAMAHA の真っ白い無地のフルフェイスヘルメット、DAYTONA のゴーストキンの本革手袋、Komine の夏用ライディングジャケット、そしてライディングシューズを準備していた。バイクを店に受け取りに行くには、これだけの装備が必要なのである。

ところが、32度を超える灼熱の日照りの中、歩いてバイク屋へ行くためにおよそ500メートルの距離をライディングシューズを履き、手袋をヘルメットの中に突っ込み、夏用とは言え長袖のライディングジャケット(肩パット、肘パット、ブレスパッド、脊椎パット入り)を着て行かなければならない。まるで鈴鹿8時間耐久レースではないか。バイクも無しにヘルメットを手に持ち、皮つなぎならぬ長袖の各種パッド入りライディングジャケットを着て、歩道をトボトボと歩いている姿を想像すると、どう見ても転倒ライダーにしか見えない。

思い出すなぁ・・・ 私がかつてWGP、スパ・フランコルシャンサーキットでレース中に転倒し、この世を去った時の事を・・・

実は私の本名はゆきみ企画ではない。本当は「北野晶夫」と言う。内緒にしておいてくれ。前世の記憶さ。何の話だ、このクソ暑い梅雨明けの日に長袖のライダースジャケットは着て歩けない。かと言って手に持って歩くには、内蔵されているプラスチック製の各種パット類が邪魔をして折りたためない。そこで私は単なるポリエステルの半袖Tシャツのみで、出かける事にした。

ショートブーツのようなライダースシューズはまだ新しく、ゴワついて歩きにくい。バイクを押しているわけでもないのに、手袋を詰め込んだ真っ白い無地のヤマハのヘルメットを手に持って歩くのは人目を引いて通行人が振り返る。4車線道路の歩道はアスファルトが焼け付いて、頭がボォ~っとなって気が遠くなる。

揺ら揺らと陽炎の立ち上がる路面をうつろな目で見ながら、バイク屋ってこんなに遠かったかなと考えた。あぁ、バイク屋の看板が見えて来た。もう少し、あと少しだと気を奮い立たせて歩き続けた。バイク屋の前でチェッカーフラッグが振られている。のどが渇いた、海は見えない・・・

ようやく店の入口にたどり着き、安っぽい喫茶店のようなガラスの扉を開けると、フワァ~と冷房の冷たい風が漂ってきた。カウンター前の広場にご成約済みの札がかけられているトリトンブルーの真っ青なバイクがあった。海が見えた! オレのバイク・・・

しかし、誰もいない。誰もいない海♪ 扇風機が一台、最強でプロペラを回し、今すぐにでも飛び立ちそうな勢いでうなりをあげている。私は真っ白い無地のヤマハのヘルメットをカウンターに並んでいるイスの一つに置き、扇風機の前に立ちはだかる。涼しい・・・

涼しいのに体中から汗が噴き出して来る。汗をぬぐっても、拭っても汗は止まらない。ハンカチもタオルも持っていなかったので、素手で対処した。その時、髪の毛の薄い初老の店員が億のドアを開けてカウンターの向こう側へ座った。

「いやぁ、この暑い中歩いてこられたんですか。ご苦労様です。とにかく書類のご確認とご説明から始めますので、おかけ下さい。」と、いくつかあるイスの中から一つのイスを指さした。「そこへ座らないとダメですか?」私は店員に問いただす。「はあ?」と怪訝な顔をして私の事を見る。

汗が止まらないからここ、扇風機の前に立ちはだかっているのだ。店員は察したようで、カウンター裏から出て来て、扇風機を私に座れと言ったイスに向けて風が吹くようにセッティングし直した。さすがにそこまでされては、そのイスに座るしかないだろう。

カウンターを挟んで店員と私は向き合い、色気のない自賠責保険の書類、住所、氏名に誤りがないか確認をし、本日から3年間有効になる旨を宣言した。そして次はSUZUKI のメーカー保証についての説明。車体はスズキによって2年間のメーカー保証がなされる。ただし、車体はフルノーマル、エンジンオイルからブレーキオイルに至るまでスズキ純正オイル及びパーツを使っていないと保証の対象外になる。また、既定の期間内にスズキ系列の店舗で定期点検を受け、さらにメンテナンスノートの記載に不備等あった場合には、これも補償対象外になる。

また、転倒等した時に入った車体の傷や、着用していた衣服等の損傷は自己責任であり、メーカーとしてのスズキには何ら責任を問うてはならないなど、説明を受けた。

バイク屋の店員によると、昨今メーカーの対応が厳しくなっていて、付属のメンテナンスノートの記載事項が厳しく問われる傾向にあると言う。初期点検を受けていない、定期的なエンジンオイルの交換がなされていない、こまめに自分でオイル交換等整備をしていたとしても、スズキ系列の店舗でやらなかった場合は整備不良車両と言う扱いになり、保証対象外になると言う。

つまり、2年間も無料で車体保証付けてやってるんだから、すべて店でやれよ! と言う事らしい。ただし、エンジンオイルやパーツ交換を行った場合、整備費と交換費用は有料で別途請求すると言う事だ。これのどこが2年間の無料車体保証なのかと、私はちょっとカチン!と来た。


 
2019-07-30 | Posted in MOTOComments Closed 

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