ゆきみ企画になるまでの軌跡
毎度、ゆきみ企画です。
ゆきみ企画は現在ポストプロダクションとして、デジタルな業務を行っております。このデジタルな業務と言うのは、アイディアとセンスがすべての世界なのです。なのでアイディアとセンスと言うのは、教えて教えられるものではありません。
「これをやりたいので、どうすればそれができるのか、そのやり方を教えてくれ。」と言う具体的なご希望があればね。それをするにはこうすれば良いみたいな、そのやり方を教えてあげる事はやぶさかではありません。
そう言えば今思い出しましたが、ツイッターの方でも同じような「ゆきみ企画のノウハウを教えてくれ!」と言う人がおりました。そのうちにね♪ と言いながらそのまんまになってました。(^^ゞ
パソコンとインターネットを使って初めてお金を得た時の話
パソコンを使って、インターネットで生まれて初めてお金を得た時の体験談をお話しましょうかね。まだ電話回線にモデムをつないでピ~ヒョロヒョロ~なんてやってた頃ですよ。(笑)
ゆきみ企画が「ゆきみ企画」と言う名称を名乗ったのは、2005年の1月、ゆきみ愛さんのホームページ三代目管理人に就任してからなんですが、そもそも私が自分のホームページを初めて開設したのは1996年でした。なのでその当時は「ゆきみ企画」とは名乗っていません。
その当時世間を騒がせたMicrosoftのOS「Windows95」が発売された翌年の事であります。仕事で得たボーナスをはたいて、17万円くらいするNECのラップトップパソコンを購入しました。
何ゆえパソコンを購入したのかと言うと、小学校、中学校、高校とずっとバンドをやっていたのですが、バンドと言うものは、いずれ人間関係や各メンバーの環境により解散する時期が訪れる訳です。
メンバーもみな「音楽好き」と言う点では同じでも、聞く音楽、やりたい音楽、つまり方向性のベクトルがだんだんそれぞれバラバラになって行き、メンバーそれぞれの道を進んで行き「解散」と言う事になるわけです。
私もご多分にもれず、ヘビメタやロックンロール系の音楽よりも音楽家「坂本龍一」のような、オーケストラが演奏するような曲をやりたいと思うようになって行きました。
バンドって言うのはさ、わがままを通せないのと、人間関係の価値観にズレが生じて来ると続けられない訳で、どうすれば自分がやりたい音楽をやれるかと考えていた所、パソコンを使ってプログラミングをすれば、自分一人でもパソコンにオーケストラの演奏させる事ができると言う雑誌の記事を読み、これっきゃ無いじゃん! と言うひらめきを得たのです。
で、ボーナスはたいてパソコン購入と言う事になったのです。
NECのラップトップパソコンにローランドのミュー次郎と言うソフトと音源を使い、誰にも異論を唱えられる事もなく、自分の好きな曲、好きな音楽を作る事が可能になった訳です。
つまり私は音楽を作るためにパソコンを購入して始めたと言うのがすべての始まりなのでした。1年ほどずっと音楽を作るためにパソコンを使っていたので、それなりにオリジナル曲や有名アーチストの曲をカバー制作しており、自分がプログラミングした曲が溜まっていました。
するとやはり作った曲は他人に聞いてもらいたいと言う欲求がわき上がって来たのです。でもどうやって? すると雑誌に「自分のホームページを作って音楽を発表しよう♪」と言う記事を読み、そうか、ホームページを作れば自分の曲が色々な人に聞いてもらえるように出来るのか。でもどうやって?
ホームページってどうやって作れば良いのか分からないし、どうやればそのホームページとやらで曲を聞いてもらえるようになるのかもわからない。するとWordでもインターネットアシスタントと言うソフトを組み合わせれば、ホームページを作れると言う事を知り、ワープロなら昔から東芝ルポとか使っていたので作れそうだと制作に着手したのでした。
その頃はホームページビルダーみたいな専門ソフトは無かった。
いやあったのかもしれないが私はそう言うの知らなかったのです。
さて、この話は長くなるのでハショッテ先へ進めます。
ともかく自分のホームページは作った。
音楽も流せるようになった。
ホームページの訪問者に自分の曲を聞いてもらえるようになった。
すると私の曲を聞いた人から感想が届くようになった。
ここまでで当初の私の夢や願望は叶う事になりました。そうなって来ると、さらに夢は広がって来るもので、メジャーなミュージシャンのようにファーストアルバム(CD)を出したくなる。CDを作る? でもどうやって?
オリジナルアルバムCDを作るには、CD本体とジャケットや歌詞カードとか作れないと、ネット配信とは違い商品が作れない訳です。今どきみたいにその手のキットとか売ってないですからね、プリントアウトのための印刷設定とか難しかった(笑)
一つ一つ問題を調べたり、失敗したりしながらも、ようやく商品としての私のファーストアルバム「穏やかな時代」全10曲入りを完成させる事ができました。この感動は今でも忘れられないですね。一曲視聴して見る?「奥多摩伝説」この曲はのちに渡辺理緒さんの道後ミュージックのステージで使用されました。
さてさて、初めて自分のオリジナル商品が出来上がったところで、どうやってこのアルバムを販売すればいいんだ? と悩む事になる訳です。
注文を取る、集金する、商品を発送する・・・
ホームページで商品の告知は出来る。
メールで注文してもらって、返信メールに振込先を書く。
銀行のATMへ行って入金確認をする。
商品を梱包して郵便で送る。
今みたいに宅配便とかは発達していないので、いちいち郵便局まで行かないと発送ができなかったんですねぇ。楽しくもあり、面倒くさくもあり・・・
実際にホームページで「私のCDが出来ました! 欲しいと言う方はメールでご注文下さい!」とやりはしましたが、本当に売れるモノかどうかも分からないし、ましてやこのCDを売って儲けるぜ~! みたいな事は考えてもおりませんでした。有名ミュージシャンのようにアルバムをリリース! とか、やってみたかっただけなので、送料無料の500円で販売して見ました。
別に何枚売れるとかの目算も目標もありませんし、そもそも売れるのかどうかすら分からない。ただ自分がやってみたかったからやった事に過ぎません。
ところがです。いざフタを開けてみればいきなり10枚ほど注文が舞い込み、驚いたのなんのって(笑)
しかも、発売直後に購入してくれたお客さんから感想がBBSに書き込まれ、「曲も良いけれども、商品としての完成度がここまですごいとは思ってもいなかった。これじゃこのままCDショップの商品棚に並んでいても何の遜色ないね。この完成度で500円じゃ申し訳ない気がするのであと500円追加で振込させてもらいますね。」と思った以上に大好評なのでした。そのBBS効果もあり、その後も続々と注文が来ました。
結果、素人の私がパソコンとプリンターで作ったCDは50枚程売れました。
大成功と言うより想像以上の成果でしたね。
しかし私がこのCDの制作販売で得たものは、売上金とかではなく、素人が手探りで始めて作った商品なのに買ってくれる人がいると言う事と、買ってくれた人が良い意味で想像を裏切られ、驚いたと言う事実でございました。
私は自分がやりたい事、夢や希望、理想を追求した結果です。
そうです、金を儲けようとかそう言う事では無く、自分の理想を追求した結果が完成度の高い商品を生み出したって事です。
1996年とかその頃はパソコン自体、インターネット自体黎明期であり、自分でCDのアルバムとか作れる人は極少数しかいないと言う時代ですからね。今でこそCDなんてものは誰にでも簡単に作れる時代だし、それを販売する事も誰にでも簡単にできます。
今から22年前に私はすでにこれをやっていたと考えれば、ゆきみ企画の前身としていかに斬新であったか。
別に自慢話をしているのではなく、何に目をつけ、どう言うプロセスで、どうやって価値を生み出したのかと言う所を考えてもらいたいのです。
まとめとしてちょっと分析してみましょうか。
何ゆえ私の手作りCDは50枚も売れたのか?
日頃からホームページで自分のプログラミングした音楽を配信していた。
無料レンタルBBSをホームページへ設置していて、訪問者の方々と交流があった。
最初に私のCDを購入してくれた人が、高評価の口コミをBBSに残してくれた。
一般CDショップで売っていたとしても、何ら違和感を感じさせない完成度の高い商品になっていた。実際にはちゃんと普通の新品CDのようにビニールパッケージで包まれていて、開封テープを一回りまわして開ける仕様になっていたんですよ。時代背景的にそう言う個人販売をしている人がほぼいなかった。
おおむねそう言う理由です。
もっと簡単に言うならば、
孫子いわく「天の時、地の利、人の和にしかず」
ま、そう言う事です。
この定理は戦国時代から何も変わっていないと言う事ですね。